有名な漫画家・江口寿史(えぐちひさし)さんが、日本人女性の写真を持ち主に許可を取らずに参考にしてイラストを作っていた(=トレース、トレパク)ことがわかりました。このことはニュースやSNSで大きく取り上げられ、著作権や肖像権といった「人のものを勝手に使ってはいけない」というルールについて改めて注目されています。
インターネットやSNSが広まった今、私たちはだれでも気軽に写真やイラストを見たり、使ったりできます。でも「勝手に使っていいの?」というルールを知らないと、大きなトラブルになることがあります。
この記事では、江口さんの問題を例にして、「なぜ人の写真を勝手に使ってはいけないのか」「どんな権利が守られているのか」をわかりやすく整理します。この記事を読めば、将来あなたが安心してイラストや写真を楽しんだり、自分の作品を守るために大切なことが学べます。
江口寿史さんの写真無断流用問題とは
まず事実関係を明確にします。
- 漫画家・イラストレーターの江口寿史氏が、SNSなどに投稿されていた日本人女性の写真を無断で参考にし、イラストを制作していたことが発覚しました。
- 写真家や被写体からの指摘がSNS上で拡散され、各報道機関が取り上げる事態となりました。
- 江口氏は自身の公式SNSで「許可を得ずに使用したことがあった」と認め、謝罪コメントを発表しました。
つまり、この問題は単なる「模写」や「オマージュ」ではなく、第三者の写真を無断利用したうえで商業的価値を持つ作品にしていた(=その絵でお金をもらった)ということが大きな焦点です。
著作権・肖像権の観点からの問題点
ここで、どうして「無断使用」がいけないのかを分かりやすく説明します。
- 著作権:写真は撮影者に著作権があり、無断で複製・利用することは著作権侵害といって、法律違反になります。また、参考にする場合でも、原作の特徴が強く残れば「翻案権侵害」となる可能性があります。
- 肖像権:被写体となった女性には「自分の姿を勝手に使われない権利」があります。特に商業的に利用された(=お金を稼ぐために行った)場合、精神的苦痛やプライバシー侵害につながるおそれがあります。
- 職業的責任:江口さんは業界で著名かつ影響力の大きい立場です。そのため、倫理的にも模範を示すべきとする声が強く上がっています。
この点を理解すれば問題は「単なる参考」や「偶然の類似」ではなく、法的にも社会的にも軽視できない行為だとわかります。
江口寿史さんの謝罪と対応
江口さんは報道後、以下のように表明しました。
- 「被写体や写真家に許可を取らずに制作していたことがある」
- 「不快な思いをさせてしまったことを深くお詫びする」
- 「今後は必ず許諾を得て制作にあたる」
謝罪を行った点は評価できますが、一方で「なぜこのようなことがずっと放置されていたのか」という疑問も残ります。SNS時代において、情報が拡散されやすい環境になったからこそ発覚したといえます。
この問題から学べること
- 写真やイラストを含むコンテンツは「権利者の許可」を得て使用すべき。
- 著作権や肖像権は法的に守られており、侵害すると損害賠償や信用失墜につながる。
- 江口寿史さんのケースでは、許可を取らない利用が発覚し、SNSやメディアを通じて批判が拡散しました。これはアーティスト本人だけでなく、関係する業界全体に不信感を与える結果になった。
- 安心して創作活動を続けるためにも、必ず権利関係を確認し、必要な手続きを踏むことが重要。

感想
江口さんほどのキャリアを持つ人物がこのような行為をしてしまったのは残念ですが、ポジティブに言えば「業界全体でルールを再確認するきっかけ」だと思います。
被写体となった女性や写真家にとっては非常に理不尽な体験であり、二次利用のリスクを強く認識させられる事例でした。SNS時代における自己防衛の観点からも、公開する写真には透かしを入れる、限定公開にするなどの工夫が必要かもしれません。
一方で、創作の自由は守られるべきものでもあります。重要なのは「自由と権利のバランス」を理解し、適切なリスペクトとルールの下で活動することです。
まとめ
江口寿史さんのSNS写真トレース、トレパク問題は、著作権・肖像権を軽視した行動がいかに大きな影響を及ぼすかを示した事例でした。
- 写真は著作物であり、無断使用は著作権侵害となる可能性が高い。
- 被写体の肖像権も侵害されており、精神的苦痛を与える行為。
- 著名クリエイターの行為は業界全体の信頼にも直結する。
私たちがこの問題から学べることは、「権利を尊重し、許諾を得て利用することが創作活動を長期的に守る唯一の方法である」ということです。結果的にそれがクリエイター自身の信頼や作品の価値を高め、安心して表現を楽しめる未来につながります。
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